大雨による河川増水量を、ネットでほぼリアルタイムに知る方法


テレメータ水位

2015年9月10日〜11日にかけて、栃木・茨城を流れる鬼怒川や、宮城の渋井川の堤防が相次いで決壊し、甚大な被害が出ています。

逃げ遅れた人が救助されているのを見ていて思ったのが、もっと多くの人に「川の防災情報」を知ってもらいたいということです。

僕は地元の消防団として、台風などの大雨の際に河川を巡回・監視し、目視した水位情報を市に連絡をするという活動を行っていた経験があります。

その時に国土交通省の「川の防災情報」というWebサービスを利用していました。

このサービスはテレメータを使い、河川の状況をほぼリアルタイムにWeb上で発信しています。

実際に河川を見ることなく避難判断に使えるので、「川の防災情報」の使い方や注意点を紹介します。

※僕なりの使い方や注意点も紹介していますが、これが全てではないので災害時の判断の参考程度にお使い下さい。

スポンサーリンク

仕組み

国土交通省は全国の河川にテレメータと呼ばれる遠隔地から伝送された測定量を計測・記録する装置を使い、常に河川の水量を監視・把握している。

川の防災情報」を使えば、そのデータをWeb上で見ることができる。

観測所の表示の仕方

実際に河川の情報を表示させる手順を紹介。ここでは、堤防決壊があった茨城県常総市を例に見ていく。

川の防災情報」を開き、「テレメータ」をクリック。
テレメータ

検索方法は住所・電話番号から検索する方法や、河川名・観測所名から検索する方法等がある。

今回は住所を使い検索する。「住所・電話番号から地域を検索する」をクリック。
住所電話番号から検索

郵便番号の上3桁を入力し「検索」をクリック。茨城県常総市は303なので、303を入力。
住所検索

該当地域をクリック。ここではひとつしか出てこなかったが、複数出てくる地域もある。
該当地域をクリック

地図からも観測所を選択できるが、かなり見にくい。
観測所を検索

下にスクロールしていくと所在地から選択できるのでそちらを使う。「種別」が「水位」になっている欄で、調べたい住所の観測所名をクリック。
観測所を選択

観測所のデータが表示される。
観測所のデータが表示される

イザという時にすぐにアクセスできるできるようこのページをブックマークに登録するのがオススメ。

データの見方

データの見方の紹介。

基準値

基準値

テレメータで収集した水位がどの状態にあるのかを把握できる。上記の例では

水防団待機水位は1.50m
はん濫注意水位は3.50m
避難判断水位は4.70m
はん濫危険水位は5.30m

となる。この基準値は観測所ごとに変わるのでしっかり確認する。

水位の推移

水位の推移

時間ごとの水位の変化を見ることができる。基本は1時間毎、毎正時のデータが表示される。

数字の色は「基準値」の色と対応しているのでわかりやすい。

画面右上の「10分毎」をクリックすると10分毎の水位を見ることができる。
10分毎の表示

10分毎の推移。
10分毎の表示

ここで注意するのが、最新の情報は10分近く遅れて表示されるということ。例えば「17:20」の水量データは10分前後あとの「17:30」頃に表示される。

水位は急に上がることがあるので、水位を先読みして行動する必要がある。

断面図とグラフ

断面図とグラフ

断面図では水位がどれくらいあるのか、堤防の高さまであとどれくらいかを視覚的に確認できる。

また、上記画像では分かりにくいが、縦軸が水位、横軸が時間になって水位の変化をグラフで見ることができる。

過去のデータ

過去三日分のデータも見ることができるので、鬼怒川の水位の変化を見てみる。画面左の「過去データへ」をクリック。
過去のデータへ

9月9日は「−3m」台とかなり低い状態が、夜にかけてじわじわと増えている。21時を過ぎると50cmづつ増えていき、翌日10日の2時を過ぎると1時間に1m上昇し、13時に堤防の高さ8mまで上昇。
鬼怒川の水位の変化

夜中から朝にかけて寝ている時間にこれだけの量の増水は恐ろしい。

使う上での注意点

川の防災情報」を使う上での注意点を紹介。

複数の観測地点を見る

川は上流から下流に流れていくので、自分が住んでいる付近の観測地点だけでなく、上流の観測地点も見ることでより早い判断ができるようになる。

データの信用性

これらのデータは装置により自動で収集されたデータなので、装置の破損やWebサービスの不具合などにより正確なデータで無い可能性がある。

あくまで参考にし、余裕を持って避難することが大切になる。

データが信用できないからといって絶対にやってはいけないのが川を見に行くこと。これをすることで多くの人が命を失っている。

僕が消防団で活動していた時は、ライフジャケットを装備し、命綱をつけ、ふたり以上でお互いの安全を確認しながら作業を行っていた。

それだけのことをしても、水量の増えた川に近づくのは恐ろしかったので、絶対に近づいてはいけない。

雨上がり

雨がやみ、天候が回復したからといってこのデータ観測をやめてはいけない。

なぜなら、人が住んでいる場所で雨が降らなくなっても、河川の上流にある山に大量の雨が降っている可能性が高いからだ。

それらの雨が時間差で流れてくるので、雨がやんでも水位の上昇は続く。

水位が下がり続けるのを確認するまで必ず見ておく必要がある。

避難判断はすみやかに

データがあるからといって、「まだ大丈夫」という考えを持たず、常に最悪の事態を想定し、いつでも避難できる準備をしておく。

避難には時間がかかるので避難所までの時間や経路も把握し、余裕をもって行動する。

また、行政の避難指示がでたら、データ上はまだ大丈夫そうでも必ず指示に従い避難する。

と言っても、行政の避難指示は遅いことが多いので、危険を少しでも感じたら自主的に避難することが重要になる。

事前に確認すること

事前に確認することとして、河川が氾濫しても安全な避難場所を確認しておく必要がある。

注意が必要なのが地震時の避難場所が必ずしも安全ではないということ。河川の氾濫に関しては土地の高さが重要になってくるので、河川の堤防より高い避難所を確認しておく必要がある。

現に今回の件で、避難所に指定されていた場所が水没して使用できないということがあった。

スポンサーリンク

おわりに

大雨による河川増水量を、ネットでほぼリアルタイムに知ることができる「川の防災情報」を紹介しました。

このサービスを使う上で、僕が思いつく注意点などを紹介しましたが、実際はこれが全てではありません。

自分と家族の生命と財産を守るために、情報をしっかり集めてより安全な判断と行動をすることが求められます。

いつ起こるか分からない災害のために、常に準備とシミュレーションをしておく必要があります。


タグ:

スポンサーリンク



この記事が役に立ったらシェアして頂けると嬉しいです!
このブログをフォロー・RSS購読もお願いします!

スポンサーリンク