ネット買取の闇。その手口と実際に査定申し込みして返却させるまでの流れ

要らなくなったものを買取業者に送るだけで買い取ってくれる「ネット買取サービス」が普及していますが、商品が売り手の手元にないことを逆手に取った悪質な業者がいます。

買い替えで使わなくなったMacBook Proをネット買取サービスの「BUY王」というサイトに査定に出したのですが、ありえないくらい低い買い取り金額と必要以上の返送料がかかるなどいろいろ酷すぎる内容でした。

今までネット買取サービスを使って特に問題がなかったので油断してしまったんです…。

この記事では、ネット買取サービスで失敗しないために、悪質ネット買取業者の手口と僕の体験談を紹介します。

悪質ネット買取業者の手口

悪質ネット買取業者の手口は主に下記のようになっています。

1. 送料無料や高額な査定金額を提示し、商品を業者へ送らせる
2. 商品の傷や時間の経過を理由にWebサイトに掲載された査定額より低い金額を提示
3. 返送を依頼しても、返送料がかかることを伝えられる(送料無料をうたっているのに)
4. 返送料がかかるのなら低い買取金額でも売ってしまおうという心理へ誘導

査定の手数料は取らないが、商品を人質にし、返送料がかかるという脅しをして安値で買い取りをしようという魂胆が許せません。

Webサイトの文言には「送料完全無料」などと書かれ、送る際の送料も返してもらう際の送料も無料だと誤解させる内容になっています。

僕が試したBUY王は「送料完全無料!!お客様の送料を当社がすべて負担いたします」と書かれている。Web魚拓はこちら

返却を申し込む際に、送料は無料なのではないか？と尋ねると、利用規約に着払いと書いてあるというのが業者の言い分。

目につくところには、送る際も返却する際も送料がかからないような表記を大々的にし、申込み時の読みにくい利用規約のなかにこっそり着払いを明記することで商品を気軽に送らせ、返送料を脅しに安値で売らせる仕組み。

更に、商品を送らせるために他の買取会社より高い査定額をWebサイトに掲載しているのもあくどいです。

売り手としてはできるだけ高く売りたいですから、Webサイトに掲載されている査定額が高いところへ申し込みたくなりますからね。

送料無料と高い査定額をエサに商品を送らせたら、「傷があるから」「人気が落ちたから」「掲載時から価格が変動した」など、様々な難癖をつけて査定額を減額してきます。

想像していた金額より安いので返送を申し出ると、利用規約に書いているということで、返送料や着払いでの返送になることを言い出す。

売る側としては、使わなくなったものを売ってお金に変えたいのに、自分のものを返してもらうだけでお金を取られるという謎の状況に陥り、お金を払うくらいなら安くてもそのまま売ってしまおうという考えになってしまいます。

そこにつけ込んだ卑怯な手口です。

他にも、

• 値がつかないということで勝手に処分された
• 商品を紛失され、そのご連絡無し
• 査定の連絡が来なく電話もつながらない

など、様々な問題があるようです。

BUY王で買取申込みから返品まで

僕の場合は返品後も酷かったです。一連の流れを紹介します。

BUY王に申し込んだ理由

このブログでは自分が体験したり買ったものを紹介するため、ASPを通してアフィリエイトを一部行っているのですが、ASPの人からBUY王を紹介してみないかと前々から持ちかけられていました。

今まで売るものもがなく使う機会がなかったため紹介してきませんでしたが、MacBook Pro(MLH12J/A)の買い替えで古い機種を売ることになったのでこの機に使ってみることに。

Webサイトの査定額も、他のサイトが100,000円〜103,000円前後という中で、133,478円と高かったのも試してみようと思った要因の一つです。(まぁ、明らかに高すぎたので、難癖つけられて結局10万円ぐらいに収まるんだろうなと思っていました。)

その金額の魚拓はこちら。

実際に使ってみて良ければブログで紹介しようと思っていましたが、酷い内容だったので紹介することなくこの記事となってしまったわけです。

成果報酬額もかなり良い方なので、良い評価でオススメしている報酬目当てのサイトが結構ありますが、そういったサイトも被害を助長している一因なんでしょうね。

申込み、そして遅い返信

申込みから発送までは、こちらがやる作業なのでスムースに行きました。

返却時の送料は、一見無料なように書いてありますが、気になったので利用規約をきっちり読んでみると着払いで返すという文言を発見。

「やっぱりな」と思いましたが、他の業者でも返却の送料がかかるところが多いし、ASPから紹介されたサイトだからそれなりの価格で売れて返却の必要もないと思い送ることに。

配送業者が家まで取りに来てくれましたが、その際に送り状を手書きで記入しなければならないのは面倒くさかったです。
※他の買取業者は送り状は事前に印刷され、配送業者に商品が入った箱を渡すだけで完了するという楽なサービスもあります。

商品を発送して2日後に商品到着メールが送られてきましたが、「昨日確認しました」との文言が。

昨日確認したなら昨日メールよこせや！と思い、更に読み進めていくと、混雑しているから査定に2〜3週間かかるとのこと。

これまでの手続きの中で「もしや…」という感覚が少なからずあったのですが、このメールを見てヤバイ業者だとほぼ確信し、やっちまったな〜と思いましたが、仕方ないので査定結果を待つことに。

ちなみにTwitterで「BUY王」と検索すると連絡が来ないというツイートがたくさん出てきます。

低すぎる査定結果と疑惑の査定内容

到着メールから7日後、思ったより早く(？)査定結果がきましたが、想像より遥かに低い金額で愕然としました。

買取価格10万円かそれより数千円安いかぐらいでよそうしていましたが、買取価格59,692円。キャンペーン増額3,000円で合計62,692円。

予想査定価格の60%という低い査定結果に驚きました。

Webサイトに掲載されていた133,478円からすると半値以下ですからね。信じられませんでした。

減額の内容はこのようになっていました。

箱スレ・傷み・汚れあり、本体使用感、背面ロゴマーク左下隅ダメージあり、底部スレ・汚れあ
りの為、こちらのお値段を付けさせて頂きました。

箱に関しては、購入時に中身を取り出してすぐにAppleから送られてきたダンボールに入れて保管し、売却時に触れただけなのでスレや傷、汚れがついているはずありません。

背面ロゴマーク左下隅ダメージありとのことですが、そんな場所にダメージがあった記憶はありません。

返却されたものを見てもダメージがあるとは思えません。わかりやすいように照明を反射させて撮りました。いったいどこにダメージがあるのか…。

底部スレ・汚れありとも書かれていますが、底面部分は傷がないかしっかり確認し、汚れはしっかり拭き取ったのでこの評価も納得できない。返却された底面を見ても傷は見当たりません。

それに例え上記の内容が事実だったとしても、4万円を超える減額というのも納得できません。

更に、査定額が書かれたメールには、返送の際は着払いでの返送になるとの文言が。

Webサイトの文言表示・査定申込みから実際の査定の流れの中で、返送に送料がかかるとの表記をわかりやすく表記していないのに、査定が出たタイミングで大々的に脅してくるこの悪どさ。

あまりの酷さに呆れてしまったのですが、

• 箱や本体の傷の査定に納得できない
• Webサイトに掲載されている金額とかけ離れている
• 送料「完全」無料をうたっているのに返送に料金がかかるのはおかしいのでは？

というメールを送ったところ

• 査定は担当者が厳重に検品している
• Webサイトの掲載価格は上限金額
• 返送料は利用規約に書いてある

というお決まりの返信が来ました。(因みに僕が売りに出した型番は MLH12J/A なのに、査定に書かれている型番は色違いのNLVP2J/Aになっていて間違っています。厳重に検品してこれは酷い。)

もうこの業者はダメだと思い、着払いで返送させました。

着払いの金額を払って損して終わり。

と思ったら、ここからがまた酷かった…。

嫌がらせとも思える返却

返却申込みから2日後には届いたので返却はスムースでした。

しかし、送られてきた荷物を見て驚愕…。

荷物を送った時は、Appleのオンラインストアで購入したときに送られてきたMacBook Pro専用に作られた箱で送ったのですが、

返却時はボロボロでガムテープがベタベタ貼られ、以前の配送伝票が貼られた使い回しのダンボールで送られてきました…。

更に、送ったMacBook Pro専用のダンボールより大きくなったのでヤマト運輸の100サイズ相当になり、クロネコメンバーにも登録していないらしく、割引なしの料金は1,361円に。

僕が送るのに使ったMacBook Pro専用ダンボールで送り返してくれたら80サイズで、クロネコメンバーに登録(法人でも登録無料)していれば1,011円で済んだのに…。

因みに僕はBUY王がある東京から比較的近かったのでこの料金でしたが、九州・北海道なら1,793円。沖縄なら2,441円かかっていますからね。

買い取りしなかった客の事はどうだっていいという対応が腹立つ。

しかも、料金が高いサイズで送ってくるところは嫌がらせそのもの。

セコさに呆れてしまいますね…。

箱はボロボロでしたが、中はプチプチでしっかり包装されていたので中身は大丈夫そう…と、思いきや。

MacBook Proの箱の所々に黒いススみたいな汚れが。

iPhoneで撮影したのでわかりにくいですが、実際に見るとかなり目立ちます。

上記写真は一部で、他の部分にも付いています。

箱はしっかり拭いて査定に出したので、拭いて取れるススが残っているハズはありません。査定中についたと考えるのが妥当でしょう。

そして、箱の蓋を開けたとき、やたらスッと開いたのもおかしいと思いました。

Apple製品は、フタを開けるときのワクワクを演出するために数秒かかってゆっくり開けられるように設計されています。

売りに出す前の準備をしている時、箱の開け閉めに時間がかかってめんどくさく感じていたのですが、戻ってきた箱は簡単に開いたのでおかしいと感じたわけです。

これは証拠がなく全くの予想ですが、僕が送った箱のフタがキレイだったから汚れた箱の蓋とすり替えたのでは？と考えたくなってしまいます。これまでの流れからするとね。

更に箱を開けてびっくり。

新品のMacBook Proに巻かれていた包装もちゃんとして送ったのですが、適当に包装しただけでなく折り曲げて返してきやがった…。

更に更にMacBook Proを開いてびっくり。

インストール途中の画面が表示された。完全に初期化しないでインストール途中で返送しやがった…。

なにか不具合が起きたらどうするつもりだよ…。

更に更に更に！

動作チェックのためのアカウントと思われるユーザ名とパスワードが貼られたまま…。

作業の片付けぐらいしろよ…。

ここまで酷いってある意味スゴイなと逆に感心してしまいました。

こんな対応で商売が成り立つのが恐ろしく、信じられません。

BUY王の酷いところまとめ

以上をまとめると、

• 送料完全無料をうたっているのに返送に送料がかかる
• 査定に時間がかかる
• Web上の査定額よりはるかに低い査定額
• 無い傷をあることにして査定額減額の理由にする
• 返送時の箱は送った時と違う箱で返ってくる
• 梱包が汚く、配送料が高くなるサイズで返送
• 送ったときになかった汚れが箱についている
• 包装が折り曲げられて返ってくる
• 初期化せずインストール途中で送り返してくる
• 作業の片付けをせずに返してくる

もう、どうしようもありません。

他のところで売ってみた

ネット買取はどこも返送料がかかるので、家の近くのPCデポで売ってみました。(他に選択肢がない田舎です…。)

結果は最高額100,000円に対し、画面横の傷が減額され95,000円での買い取りとなりました。

画面横の傷は前からあったのですが、目立たないので5,000円の減額はないでしょと訴えたのですが覆らず、BUY王の60,000円査定からすると35,000円近く増えていればよいかということで売却を決定。

おわりに

いろいろ疲れました。

ネット買取を使う時は返送料がかかるか確認し、酷い査定額ならしっかり無料で返してくれるところを選びましょう。

返送料無料は見つからないかもしれませんが…。