「金融市場と金利」知っておきたい基本的な仕組み
※本ページはプロモーションが含まれています世の中には大規模にモノを売買する「市場」があります。
野菜は青果市場、魚は魚市場など、モノのカテゴリーによって様々です。
そして、お金を取り扱う市場もあります。それが「金融市場」です。
ここでは金融市場の仕組みと金利について紹介します。
金融市場
金融市場とは、お金の貸し借りをしている場のことです。
金融市場には、取引期間が1年未満の短期金融市場と、取引期間が1年以上の長期金融市場があります。
短期金融市場
短期金融市場はインターバンク市場と、オープン市場にわけられます。
インターバンク市場
インターバンク市場とは、銀行や証券会社などの金融機関だけが参加できる市場です。
具体的な市場として、手形市場やコール市場などがあります。
耳慣れないコール市場ですが、金融機関が短期の資金を貸し借りする場です。
コール市場には、担保を必要とする有担保取引と、担保を必要としない無担保取引があり、「無担保コール翌日物レート」という無担保かつ満期まで1日の金利が代表的な金利としてあります。
オープン市場
オープン市場とは、一般企業も参加できる市場のことです。
具体的な市場として、他人に譲渡できるタイプの預金を扱うCD市場(譲渡性預金)やきぎょうが短期で資金調達するために発行する約束手形を扱うCP市場(コマーシャル・ペーパー)などがあります。
金利
金利とは、お金の賃借料です。100万円を貸して返ってくるお金が100万円だったら貸す側にメリットは何もありませんよね。お金の貸し借りがあったら貸した額に数%上乗せして返してもらう。この上乗せ率が金利で、お金を貸す側と借りる側の需要と供給で決まります。
金利の変動要因
金利の変動要因には、景気、物価、為替相場、海外金利があります。
国内の金利上昇要因
国内の金利を上昇させる要因として、
・景気の回復
・物価の上昇
・為替相場が円安
・海外金利の上昇
があります。
国内金利の低下
国内金利が低下する要因として、
・景気の後退
・物価の下落
・為替相場が円高
・海外金利の下落
などがあります。
なぜそうなるのか見ていきましょう。
景気と金利
景気が良くなると、モノを買うためのお金を借りる人が増えるので、金利は上昇します。
反対に、景気が悪くなるとお金を借りる人が減るので金利は下落します。
物価と金利
物価が上がる(インフレになる)と、モノを買うためにお金がたくさん必要になるので金利は上昇します。
反対に、物価が下がる(デフレになる)と、金利は下落します。
為替相場と金利
為替が円高になると、輸入製品の価格が下る(物価が下がる)ので、結果として金利は下落します。
反対に、円安になると、輸入製品の価格が上がる(物価が上がる)ので、金利は上昇します。
海外金利と国内金利
海外での金利が高くなると、海外で資産を運用したほうが得なので、円を売って外貨が買われます。円が売られることによって円安を引き起こすので、海外金利が高くなると国内金利は上昇します。
反対に、海外金利が低くなると、国内で資産を運用したほうが得なので、外貨を売って円が買われます。円が買われることによって円高を引き起こすので、海外金利が低くなると国内金利は下落します。
金融政策と財政政策
市場原理で金融市場は動いていますが、市場の安定などを目的として、日本銀行や政府が行う制作があります。
金融政策
物価の安定などを目的として、日本銀行が行う政策を金融政策といいます。主な金融政策は次のようなものがあります。
公開市場操作
公開市場操作(オペレーション)とは、日本銀行が短期金融市場において、手形や国際などの売買を行い、金融市場の資金量を調整することです。
公開市場操作には、売りオペレーション(売りオペ)と買いオペレーション(買いオペ)があります。
売りオペレーション
日本銀行が保有する債権などを金融機関に売って、資金を受け取ることで市場に出回る資金の量を減らします。
市場に出回るお金が減るので金利は上昇します。
買いオペレーション
日本銀行が金融機関の保有する債権などを買って、資金を支払うことで市場に出回る資金の量を増やします。
市場に出回るお金が増えるので金利は下落します。
預金準備操作
金融機関は、一定の割合の預金を日本銀行に預けることが義務づけられています。この一定の割合を預金準備
率といいます。
この預金準備率の上げ下げによって、金融市場の資金量を調整することを預金準備率操作といいます。
預金準備率の引き上げ
金融機関は、日本銀行に資金をたくさん預け入れなければならないため、市場に出回る資金の量が減り金利が上昇します。
預金準備率の引き下げ
金融機関の、日本銀行に預け入れる資金が減るため、市場に出回る資金の量が増え、金利が下落します。
基準割引率および基準貸出利率操作
基準割引率および基準貸出利率操作とは、日本銀行が直接民間金融機関に資金を貸し出すさいの基準金利のことです。
日本銀行が基準割引率および基準貸出利率を上下させることによって、民間金融機関の貸出金利に影響を与え、市場金利や資金量を調整することができます。
以前の政策金利は、公定歩合でしたが、現在は無担保コール翌日物レート(量的・質的金融緩和のもとではマネタリーベース)を誘導目標としています。そこで、以前の「公定歩合」という名称から「基準割引率および基準貸出利率」という名称に変更されました。
財政政策
財政政策とは、国や地方公共団体が行う政策のことで、財政政策には、不景気の時に行う公共投資や減税などがあります。
おわりに
金融市場の仕組みと金利について紹介しました。
金利はマイホーム購入や、ライフプランを練る上でとても重要なものになります。
仕組みをしっかり理解し、賢く貸し借りをしたいですね。