なぜUSJは来場者数をV字回復させることができたのか。USJ躍進の裏側を紹介


USJ

映画好きの僕としてはたまらないユニバーサル・スタジオ・ジャパンですが、2016年現在、入場者数が過去最高を更新するなど絶好調なようです。

そんなUSJ躍進の舞台裏が、カンブリア宮殿で紹介されていました。

サービスを提供する上での考え方や、アイデアを出すための仕組みづくりなど、とても面白かったので、自分用にまとめてみます。

※2016年4月28日にカンブリア宮殿で放送された番組の、自分なりのまとめです。

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ユニバーサル・スタジオジャパン

2001年に大阪で映画をテーマとしたテーマパークとして開業。初年度は1000万人の入場者を記録したが、翌年から飲料水へ工業用水が混入するなどの不祥事が相次いで発覚。

入場者は減り続け、2010年には700万人台まで減少。

そんな窮地のUSJを再建させたのが、USJ執行役員(2016年4月現在)森岡毅さん。

P&Gで「TSUBAKI」など、数々のブランドを成功させてきた実績を買われて2010年にUSJへ転職。

得意のマーケティングを活かし、就任後見事なV字回復を果たす。

家族で楽しめるテーマパークに

まず森岡さんが取り組んだのがUSJの現状把握。

あるとき、自分の家族を連れてきたところ、ジョーズのアトラクションで4歳の娘が恐怖のあまり大号泣。

この時、USJは大人しか楽しめないことに気付く。

家族で来園した時に、心置きなくほんわかするものが欠けていたのだ。

そこから生まれたのが2012年3月オープンした「ユニバーサル・ワンダーランド」。

それまではパーク内のあちこちに存在していた子供向けのアトラクションを一箇所に集結し、小さな子供でも遊べるエリアを作った。

今まで取りこぼしてきた小さな子供連れの家族を呼ぶことで、この年の入場者が前年と比べて160万人増加と、大きな変化を引き起こした。

イベントで客を呼ぶ

USJは年間を通して様々なイベントを行っている。

なかでも、新しく導入したハロウィンは大人気イベントに成長した。夜になると、ゾンビに扮したスタッフが来場客に襲いかかる。

この、人を使ったサプライズが人気を呼び、閑散期だった10月の入場者数を1.5倍に引き上げた。

古いアトラクションを再利用

新しいアトラクションを導入すれば客数は伸びる。しかし、経営危機のUSJとしては新しいアトラクションを導入するほどの予算はない。

そこで出てきたのが「バックドロップ」というジェットコースター。

後ろ向きに進む今までにないジェットコースターだが、実は既存のジェットコースターを逆周りするように手を加えただけなので、新アトラクションを導入するより遥かに低いコストで導入することができた。

この逆転の発想が話題を呼び、時間9時間40分という待ち時間の日本記録を作った。

「考えて考えてそれでも考えつかず考えて、アイデア1つで苦境が乗り越えられることもあるという、我々の記憶に刻まれたプロジェクトだった。」と、森岡さんは言う。

ギリギリで追い詰められないと出てこないアイデアで、今思うと「あっそうだ」と思う。

しかし、このようなコロンブスの卵のようなアイデアは、意外とシンプルで、誰かが気づきそうなものだがなかなか出てこない。

悩みに悩んでいると、たまたま夜寝ているときにひらめき、枕元においてあるメモに書き込んだ。

常にメモを取れるようにしておくことは大切ですね。

アイデアを考えるときには「前提」が必要

では、アイデアはどのように考えればよいのか。

アイデアを考える前に、どんなアイデアが必要なのか、そのアイデアが満たすべき「条件」や「枠組み」を先に考えないといけない。

あまりにも考えるべき範囲が広すぎると、焦点が定まらなくなってしまい、もの凄く時間がかかってしまう。

砂漠の中でダイヤモンドを探すようなものだ。

求められるアイデアが「A・B・Cの条件を満たす」ということが分かれば、「それは何か」と考えることで、アイデアにたどり着くスピードが圧倒的に速くなる。

アイデアこそが最後の切り札。お金やコネがなくてもアイデアは平等で、すべての人の頭のなかに眠っている。

そして、その仕事が自分の好きなものである事が重要だ。

本当に好きなモノだったら、とてつもない馬力や粘りが出て、枯れることはない。

アイデアを考えているのになかなか出てこないと、疲れるし、落ち込む。しかし、好きなものなら、また立ち上がり、気づいたらまた考えているのだ。

「才能、センス、頭の良さ」などの次元とは違大切なことがある。

それは、どれだけ情熱を持って頑張り続けられるか、考え続けられるかであり、努力を通り越した瞬間にアイデアが出てくることが多い。

その途中で諦める人にはアイデアは降りてこない。

ごった煮戦略

ミッキーマウスといえばディズニーランド、絶叫マシンといえば富士急ハイランドなど、テーマパークはひとつのテーマできっちり作り上げている。

USJも開園当初は、ハリウッド映画というひとつのテーマで作られていた。

しかし、今は、進撃の巨人、エヴァンゲリオン、きゃりーぱみゅばみゅ、スヌーピー、モンスターハンター、そしてライバルのハローキティまで、映画だけにこだわらない「ごった煮」状態となっている。

更に、その分野のファンなら絶対に欲しくなるオリジナルグッズも販売し、世界観を盛り上げている。

たとえば、進撃の巨人で主人公たちがつけている「立体機動装置」も細部までしっかり作られていて、10万円という価格。それが売れるというのだから驚きだ。

では、それらのコンテンツはどのようにして選ばれているのか。

一見人気があるコンテンツを片っ端から導入しているようだが、実は理論に裏付けされた「数字」で決められている。

なぜ「きゃりーぱみゅぱみゅ」を呼んだのか

小中学生が好きで、親も好き、というブランドをいろいろ検証すると、外国人にも人気のある「きゃりーぱみゅぱみゅ」が条件に合っていた。

前年の来場者数と比較すると、狙い通り20歳以下の子供と30〜50歳の親世代が目に見えて増加した。

USJは「何でもあり」ではなく、必要な集客の目標に合うようにブランドを組み合わせていく。

そういうことを計画的に計算してやっているのだ。

ヒットを見極めるのは勘?

そのアイデアがヒットするかどうかはどのようにして判断しているのだろうか。

それは、勘ではなく、全て数字で裏付けをとって判断している。

「狙った集客数が達成できる確率の高いブランドはなんなのか?」と、逆算して調べる。

もちろん、消費者理解のためにゲームもやりこむし、新しい物が出たら誰よりも早く買って試しているが、どのブランドがヒットするかの判断を個人の勘だけで絶対にやってはいけない。

自分の好きなモノを取り入れたいという「強く熱い思い」と同等の「冷徹さや合理性」をもたなくてはならない。

ただし、「これは当たるだろう」という仮説の部分では勘を使うこともあるが、あくまで最後は数字で決定する。

スイング・ザ・バット賞

テーマパークは、ものを売っているのではなく「感動」を売っている。どんな感動を提供すればいいのかは消費者目線にならないとわからない。

「マーケターは何でも自分でやってみなければならない」

この信念のもと、USJの社員は自分の好きなこと、興味があることをどんどん取り入れ、デスク周りはマンガやフィギュアなどで溢れかえっている。

それがアトラクションやイベントなどにつながっている。

そして、失敗を恐れずに挑戦をした社員を表彰する「スイング・ザ・バット賞」という賞がある。

この賞の目的は、社員からもっと驚くようなアイデア出せるようにすることである。

いい意味でのリスクを取り、成功率が下がってもいいから、巨大なホームランを打ってくれる、打ちに行くことを奨励するための賞なのだ。

この「スイング・ザ・バット賞」を取ったもののひとつが「ありえない自販機」だ。

高さが4メートルもある自販機で、大人が手を伸ばしても購入スイッチに手が届かない。

なので、子供は親に肩車、大人は助走をつけてジャンプしたりなど、様々な方法で購入しなければならない。

購入するのも楽しめる小さなアトラクションだが、導入コストが意外に掛かったにもかかわらず、売上は通常の自販機と変わらずがっかりな結果に。

しかし、このチャレンジが「スイング・ザ・バット賞」をもらった。

受賞理由は、のどが渇いたら飲むという自販機に、「飲みたい」ではなく「買ってみたい」という付加価値を付けたということだ。

結果はともかく、チャレンジしたことがUSJでは大事なのだ。

社員が挑戦できる仕組み

USJの人事評価制度では、去年と同じことをやっていたら評価は低くなる。

新しいことをやれば、結果はどうであれその部分の評価は高くなる。

これを会社のシステムとして取り組んでいる。

みんなの前で表彰することで、「バットを振ることは善である」「結果が出なくても頑張りは評価される」と、みんなに分かるようになる。

評価システムと表彰の両方が必要。

テーマパークビジネスは、同じことを続けていたらジリ貧になりやすい。

新しいことに挑戦する精神がなくなったら、エンターテインメントはすぐに飽きられる存在なので、「挑戦する姿勢」を大事にしなければならない。

なぜ人はテーマパークへ行くのか?

森岡さんは、これが一番重要なテーマだと考えていて、毎日このことばかり考えているとのこと。

今のところ思っているのはこのようなことだ。

人生は辛いことや退屈なことがある。人は発散する場所がないと心のバランスが取れなくなる宿命にある。

その中でテーマパークが果たす役割があるのではないか、と。

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おわりに

アイデアの出し方や心構えなど、とても勉強になりました。

規模が大きすぎて想像できませんが、自分の好きなモノをカタチにして提供する仕事は楽しそうですね。

USJへは10年以上行っていないので、久しぶりに行ってみたくなりました〜。

 


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