大雨による河川増水量を、ネットでほぼリアルタイムに知る方法
※本ページはプロモーションが含まれています2017年7月5日現在、福岡県で大雨特別警報が発令されています。
心配されるのは河川の氾濫。それをいち早く知るために「川の防災情報」を知ってもらいたいです。
僕は地元の消防団として、台風などの大雨の際に河川を巡回・監視し、目視した水位情報を市に連絡をするという活動を行っていた経験があります。
その時に国土交通省の「川の防災情報」というWebサービスを利用していました。
このサービスはテレメータを使い、河川の状況をほぼリアルタイムにWeb上で発信しています。
実際に河川を見ることなく避難判断に使えるので、「川の防災情報」の使い方や注意点を紹介します。
※僕なりの使い方や注意点も紹介していますが、これが全てではないので災害時の判断の参考程度にお使い下さい。
また、ひとりでも多くの人に届くよう、SNS等でのシェアにご協力ください。
仕組み
国土交通省は全国の河川にテレメータと呼ばれる遠隔地から伝送された測定量を計測・記録する装置を使い、常に河川の水量を監視・把握している。
「川の防災情報」を使えば、そのデータをWeb上で見ることができる。
観測所の表示の仕方
画面上部の「水位雨量」をクリックし、見たい都道府県をクリック。(地図からも選択できます。)
画面上部の「市町村を選択」から選んでも良いし、地図内の三角から選択しても良い。
三角はマウスオーバーすると地点が表示されるので、表示させたい地点をクリック。
ここで水位を確認できます。
水位の変化を確認するには、「河川の水位の時間変化」をクリックし、「10分毎の水位」をクリック。
ここを見ると、14時から1時間半で一気にはん濫危険水位に達しているのが分かる。
使う上での注意点
「川の防災情報」を使う上での注意点を紹介。
複数の観測地点を見る
川は上流から下流に流れていくので、自分が住んでいる付近の観測地点だけでなく、上流の観測地点も見ることでより早い判断ができるようになる。
データの信用性
これらのデータは装置により自動で収集されたデータなので、装置の破損やWebサービスの不具合などにより正確なデータで無い可能性がある。
あくまで参考にし、余裕を持って避難することが大切になる。
また、リアルタイムといっても、10分から20分前のデータなので、現在はこれより水位が上がっていると判断し、早めの行動を心がける。
データが信用できないからといって絶対にやってはいけないのが川を見に行くこと。これをすることで多くの人が命を失っている。
僕が消防団で活動していた時は、ライフジャケットを装備し、命綱をつけ、ふたり以上でお互いの安全を確認しながら作業を行っていた。
それだけのことをしても、水量の増えた川に近づくのは恐ろしかったので、絶対に近づいてはいけない。
雨上がり
雨がやみ、天候が回復したからといってこのデータ観測をやめてはいけない。
なぜなら、人が住んでいる場所で雨が降らなくなっても、河川の上流にある山に大量の雨が降っている可能性が高いからだ。
それらの雨が時間差で流れてくるので、雨がやんでも水位の上昇は続く。
水位が下がり続けるのを確認するまで必ず見ておく必要がある。
避難判断はすみやかに
データがあるからといって、「まだ大丈夫」という考えを持たず、常に最悪の事態を想定し、いつでも避難できる準備をしておく。
避難には時間がかかるので避難所までの時間や経路も把握し、余裕をもって行動する。
また、行政の避難指示がでたら、データ上はまだ大丈夫そうでも必ず指示に従い避難する。
と言っても、行政の避難指示は遅いことが多いので、危険を少しでも感じたら自主的に避難することが重要になる。
事前に確認すること
事前に確認することとして、河川が氾濫しても安全な避難場所を確認しておく必要がある。
注意が必要なのが地震時の避難場所が必ずしも安全ではないということ。河川の氾濫に関しては土地の高さが重要になってくるので、河川の堤防より高い避難所を確認しておく必要がある。
現に今回の件で、避難所に指定されていた場所が水没して使用できないということがあった。
おわりに
大雨による河川増水量を、ネットでほぼリアルタイムに知ることができる「川の防災情報」を紹介しました。
このサービスを使う上で、僕が思いつく注意点などを紹介しましたが、実際はこれが全てではありません。
自分と家族の生命と財産を守るために、情報をしっかり集めてより安全な判断と行動をすることが求められます。
いつ起こるか分からない災害のために、常に準備とシミュレーションをしておく必要があります。