つみたてNISA徹底解説!投資信託の運用益が20年間非課税で、投資をはじめるなら即実行したい制度
※本ページはプロモーションが含まれていますつみたてNISAは、投資信託と上場投資信託(ETF)の売却時にかかる税金20.315%(2021年4月現在)が購入から20年間非課税になる制度です。
例えば、投資信託で10万円の利益が出たとき、通常なら20,315円の税金を払って利益が79,685円になってしまうのが、つみたてNISAを使えば、10万円の利益に税金がかからないので利益は10万円のままになります。
つみたてNISAでは、100円から購入できるので、まとまった投資資金がない人でも気軽に始めることができ、「運用益が非課税になる」というとても大きなメリットがあるので、資産運用をはじめたいと考えている人は真っ先に利用したい制度です。
もちろん、つみたてNISAにはメリットの他に注意点もありますので、この記事でつみたてNISAについて徹底的に解説します。
つみたてNISAのメリット
運用益に20年間税金がかからない
通常、株や投資信託で得た利益には20.315%の税金がかかります。
※20.315%の内訳は下記のようになっています。
* 15%:所得税
* 5%:住民税
* 0.315%:復興特別税(東日本大震災からの復興のための税金)
この20.315%の税金が、金融庁が指定した投資信託・上場投資信託(ETF)を購入した運用益に対してかからないのが、つみたてNISA最大のメリットです。
つみたてNISAで購入できる投資信託・上場投資信託(ETF)の金額は、1年間に40万円まで。
購入した投資信託・上場投資信託(ETF)は、購入した年から20年後の間までに売却して得た利益に税金がかかりません。
年間40万円という上限と、税金がかからない期間が購入から20年という制限がありますが、運用期間20年というのは長期投資としては十分な期間です。
運用して得た利益に、20.315%の税金がかからないというのはとても大きいので、他の投資商品に投資をする前につみたてNISAの利用額を使い切り、それでも運用資金があるなら他の投資商品に投資するのがオススメです。
期間分散投資でリスクを押さえられる
資産運用で利益を増やすために重要なのが、「安い時に買って高い時に売る」ということです。
ですが、やってみるとわかるのですがこれを実行するのは至難の業。
株価は常に上がったり下がったりを繰り返し、どのタイミングで買ったらよいか見極めるのは素人には難しすぎます。
そこでオススメなのが、毎月同じ日に決まった金額分購入する期間分散投資です。
期間分散投資は、毎月購入する日を決め、それに従って購入を続けることで、高値で買ってしまうこともあれば安値で買える時もあり、総合的にリスクを分散するという投資手法です。
人間は欲深いもので、「もっと安くなるのでは?」「高くなりすぎたから下がるまで待とう」などと考えていると、投資のタイミングを逃してしまい、後々後悔することになります。
毎月決まった日に決まった金額を購入するというルールに従って購入すれば、どのタイミングで買うか常に市場に目を光らせる必要が無くなるので、時間を有効に使えますし、タイミングを外してしまったときの無念さを感じることがありません。
購入価格も平均化され、大きく儲けるということはできにくくなりますが、大きく損するということも減るので、堅実な投資方法と言えます。
つみたてNISAは、期間分散投資をするのに最適な制度となっており、まとまった資金がなくても毎月決まった額を積み立てていくことで、リスクを減らし堅実に資産を増やす後押しをしてくれます。
因みに、期間分散投資はドルコスト平均法と呼ばれています。
つみたてNISAの注意点
つみたてNISAにも注意点があります。先に知っておかないと後で後悔することがありますので注意点を挙げます。
購入できる投資信託・上場投資信託(ETF)は限られている
世の中に投資信託・上場投資信託は何千、あるいはそれ以上の商品がありますが、つみたてNISAで購入できるのは金融庁が指定した商品しか購入できません。
選定基準は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)となっています。
つみたてNISAの対象商品は、2021年4月現在で193本です。
何千もある投資信託から193本しか選べないとなると少なく感じますが、全ての投資信託商品を吟味することは現実的ではありませんので、金融庁が選択しを選定してくれたと考えると商品が選びやすくなります。
選定もしっかりされているので、「なんであの商品が対象じゃないんだ!」という不満は聞いたことないですし、僕自身が買いたいと思っていた商品もしっかり対象となっていたので商品選定に不満はありません。
つみたてNISAの対象商品と最新情報は下記金融庁のページで確認できます。
開設できる口座は一人1口座だけ
つみたてNSIAで開設できる口座数は、一人1つに限られています。
証券会社などの金融機関で申込みをしてつみたてNSIAの口座を解説できますが、証券会社を変えるのは年に1回しかできないので、つみたてNSIAを開設する証券会社選択は重要です。
証券会社を変えるには、その年に1度でもつみたてNSIAで積立を行うとその年は変更できません。
翌年の1月1日からの変更になるため、変更申請のタイミングと変更時間・変更手続きなど、面倒なことが多いので長く付き合える証券会社で口座開設するのをオススメします。
証券会社によって買える商品が違う
つみたてNISAは2021年4月時点で193本の商品が対象ですが、その中でも証券会社や金融機関によって扱っている商品が違います。
僕が調べた限り193本全ての商品を扱っている証券会社は無く、一番多いと思われるSBI証券で172本、少ないところでは数本しか取り扱っていない証券会社もあります。
なので、つみたてNISAをはじめるときは、まず自分が買いたい商品を決め、それを扱っている証券会社を選ぶことが重要です。
つみたてNISAの口座は一応変更できますが、年1回しか変更できなかったり、その年に1度でもNISA口座で取引しているとその年は変更できないなど制約があるので、一度つみたてNISAの口座を開設したらその証券会社を使い続けるぐらいのつもりでいたほうが良いでしょう。
僕はそのことを知らず、とりあえず楽天証券でそのままつみたてNISA口座を開設してしまったのですが、幸い、楽天証券の取扱商品数は170本と、SBI証券に次ぐ多さだったので商品選定は問題ありませんでした。
つみたてNISA口座開設まで時間がかかる
つみたてNISAで積立投資をはじめたいと思っても、口座開設には口座開設の申込や審査・口座作成に時間がかかるのですぐにはじめることはできません。
近年では、マイナンバーカードまたはマイナンバーの通知カードが登録路に必須になっているので、マイナンバーの通知カードを無くしてしまった人はマイナンバーカードを作るなど、思ったより時間がかかってしまうので注意してください。
僕の場合、楽天証券の口座開設してから通常版のNISA口座開設をするまでに35日かかりました。
NSIA口座開設までにかかる日数を紹介。楽天証券版
先程、証券会社によって買える商品が違うので商品を選んでから証券会社を決めた方が良いと書きましたが、口座開設の時間が1ヶ月以上かかるため、商品選びと証券会社選択はできるだけ早く行ったほうが良いです。
商品選びに時間がかかりそうなら、取扱商品数が多いSBI証券か楽天証券で口座開設をするのが無難です。商品変更したくなった時も選択肢が多いほうが良いですからね。
個人的には楽天証券がオススメです。
楽天カードでつみたてNISAのつみたて代金を支払うことができ、その支払いに対して1%のポイントが付くので、つみたてと同時に1%の利益が出るのが魅力的すぎなので。
年間の積立額の上限は40万円
つみたてNISAで積み立てられる額は、その年の1月1日~12月31日の間で合計40万円までです。
購入した商品を売っても40万円の枠は増えないので注意してください。
例えば、10万円で買った商品を数カ月後に12万円で売ったとしても、その年のつみたてNISA枠で買える額は30万円のままです。購入した10万円分をすぐに手放したからということで、つみたてNISAで買える枠が40万にもどるということはありません。
これは、つみたてNISAが積立投資を目的とした制度なので、購入した商品は基本的に持ち続けるのを推奨しているからです。
購入方法は毎月か毎日のみ
つみたてNISAで購入する方法は、毎月、あるいは毎日の定額購入だけです。
ある商品をその時だけ一括で購入するスポット購入はできません。
毎月積み立てる場合は、毎月何日に購入するかを決め、その日が証券会社の営業日でなかった場合はその次の営業日に自動で購入されます。
毎日積み立ては、証券会社の営業日につみたてるので、証券会社の営業日数により年間の積立額が変わる可能性があります。
40万円の積立枠はボーナス設定や増額設定によって消費可能
40万円の枠を使い切ろうとすると、毎月積み立ての場合、毎月の積立額は33,333.333….となり、割り切れません。
33,333円を毎月積み立てた場合、年間の積立額は399,996円になります。なんとなく気持ち悪いですよね…。
この積立可能枠をキッチリ使い切れない気持ち悪さは、ボーナス設定や増額設定を使うことで解決できます。
ボーナス設定や増額設定は、証券会社や金融機関では取り扱っていない場合や、名前が微妙に違う場合がありますが、指定した月の購入額を一定額増やせる設定で、年2回まで設定できます。
例えば、毎月の積立額を33,000円にし、1月にボーナス設定で4,000円を設定すると、
となり、40万円の枠をきっちり使い切ることができます。
年の途中からつみたてNISAをはじめた場合も、普通に毎月積み立てにすると、例えば7月から毎月33,000円積立を開始した場合は6ヶ月分の198,000円しか積み立てられませんが、ボーナス設定(増額設定)をすることで上限の40万円まできっちり使えます。
注意が必要なのが、口座開設が10月や11月以降になってしまうと、その年のボーナス設定を設定することができない場合があることです。
これも証券会社や金融機関によって微妙に変わってきます。初年度から積立枠いっぱい使いたい場合は、なるべく早く口座開設したほうが良いでしょう。
40万円のあまり枠は繰越できない
40万円の枠を使い切れなかった場合、残りの枠を翌年に繰り越すことはできません。
上記で紹介したボーナス設定や増額設定を使って枠を使い切るか、無理に積み立てないで着実に積み立てていくのが良いでしょう。
購入から20年後に自動で払い出される
つみたてNISAは、購入した年から20年以内に売却したときの利益にかかる税金が免除される制度なので、20年の間に自分で売却することもできますし、20年間ずっと持ち続けることも可能です。
購入した投資信託は、購入から20年経つと自動で売却され、売却した金額は税金がかからずそのまま証券口座に戻ります。
ここで注意したいのが、購入から20年後に価格が暴落していても強制的に売られてしまうということです。
「もう少し持っていれば価格が戻るかもしれないから持っていたい」と考えても持ち越すことはできないので、購入から20年が近づいてきたらどこかのタイミングで売るという選択肢も考える必要もありえます。
購入から20年後に強制的に損益が確定するということは頭の隅に置いといてください。
つみたてNISAで積立をするなら毎年積み立てるので、最初の積立から20年経ったら、購入から20年経った投資信託が毎年払い出されることになります。
つみたてNISAでの購入は2037年まで
つみたてNISAの制度を使って積み立てられるのは2037年までと限定されています。
つみたてNISAをはじめるのが遅くなるほど非課税の投資信託を買える額が減ってしまうため、はじめるなら早いほうが良いです。
損益通算できない
通常の株式や投資信託で資産運用している場合、一部で利益が出たけど別の商品で損が発生した場合、損益を合算し、利益を少なくして税金を減らすことができます。
例えば、Aという商品で100万円の利益が出て、Bという商品で30万円の損が出ていた場合、損益通算して70万円の利益となり、その70万円に対して税金がかかるのが通常の取引です。
これがつみたてNISAだと、通常の株式などで100万円の利益が出て、つみたてNISAで30万の損失が出ていた場合、損益通算できないので、通常株式の利益100万円から30万円の損失を引くことができず、100万円に通常の税金がかかってしまいます。
この、つみたてNISA以外の投資商品で得た利益とつみたてNISAで出してしまった損を合算できないのがつみたてNISAのデメリットとなります。
つみたてNISAで利益が出た場合は、つみたてNISA枠分は税金がかからないので、利益が出た場合は問題ありません。
損失の繰越もできない
通常の株式や投資信託で損が出た場合、その損金は翌年に繰り越して翌年に出た利益から引く「損失の繰越」ができるのですが、つみたてNISAで出た損益は翌年に繰り越すことはできません。
所得控除の対象ではない
つみたてNISAと同じような制度に、指定商品の利益にかかる税金が免除になる個人型確定拠出年金(iDeCo)があります。
iDeCoは掛けた金額が全額所得控除になるのですが、残念ながら、つみたてNISAは積み立てた金額は所得控除になりません。
それならiDeCoの方が良いと思ってしまいますが、iDeCoは60歳になるまで引き出すことができないという制約があるので、どちらが良いとは一概に言うことはできないです。
おわりに
購入した投資信託の売却益が非課税になる「つみたてNISA」は、資産運用をはじめたい人にオススメの制度です。
投資対象は、株や債権、金、不動産、仮想通貨など様々ありますが、どれも利益に対して税金がかかってしまいますからね。
まずはつみたてNISAの投資可能枠をいっぱいに使い、それでも運用資金が余るのなら他の投資対象に投資するというのが効率が良くリスクが低い投資手法になります。
これから資産運用をはじめるなら、まずはつみたてNISAを検討してみてください。
※つみたてNISAは投資なので、損をする可能性があります。投資は自己責任でお願いします。