上司を選挙で決める制度を作り離職率が50%→5%へ。環境を変えることが社員を変える。
※本ページはプロモーションが含まれていますメガネ業界3位(2016年4月現在)の低価格帯メガネチェーンのオンデーズ。
ここ数年急速に成長著しい企業です。
その原動力となったのが2011年からはじめた、1年に1度開かれる上司を決める「選挙」。
社員一人ひとりが自分の上司にしたい人を選ぶため、社員が絶対納得する人事システムです。
選挙をはじめた経緯
社長の田中さんが社長就任時、会社は倒産しかけ。社員は愚痴や不満ばかり。だから離職率が50%。
社員が納得する透明性のあるシステムの必要性を実感。
それが、社長が人事権を放棄するということに繋がった。
会社にとって一番良いと思ってその人を管理職にしたのに、他の人たちからは「社長現場わかってねえよ」という声が聞こえてくる。
自分が決めたことが全部正しいわけではないと気付いたのだ。
人事権が社長にあると、イエスマンばかり周りに置いてしまう。社長が扱いづらい人が部長になった方が良い。
その結果、社長が嫌いな人がエリアマネージャーもいるそうだ。
やるなら本格的で本気な選挙
やると決めたら選挙の質にはとことんこだわる。
選挙ポスターを貼ったり政見放送撮影して公開するなどの本格的な選挙
部下が妊娠したことをキッカケに、
「女性社員が働きやすい環境を作る」という公約や、
「マニュアルや報告書などの複雑な文書が多いので仕組みを変えます」
のような公約を掲げ選挙戦を行う。
販売部門324人の中の、管理職124人を選挙で選んでいる。
中でも、5人しかなれないエリアマネージャーを決める選挙は、社員やスタッフ450人が一堂に集結して行われる。
選挙費用は1,200万円。閉められる店舗は営業を休んでまで出席する熱の入れよう。
各候補者の最後のスピーチを聞き、その後スマホで投票。
選挙のメリット
人材確保と人材育成を行える。選挙をはじめた結果、離職率が50%から5%へ激減。
やりたい人間はどんどん立候補できる環境が社員のやる気を引き起こす。
会社が成長する過程で、新しく入ってきたいろんな人の意見を取り入れないと選挙に勝てないため、その時により選挙の結果が変わってくるのが会社の活性化に繋がる。
経営者にとって大切なことは、うるさいこと言う人が周りにいること。
日本の文化は、不満を言うのは良くないことで黙っておくのは美徳という傾向があり、イエスマンが増えやすい。こういう制度で会社が活性するのは良いこと。特にサービス業界。
業績が悪いと人のせいにする人が多い。「不満があるのなら自分が立候補してやればいいじゃないか」となった途端、別の緊張感が生まれ、文句を言うだけではダメな雰囲気になった。
上司選挙制度は、社外取締役の効果を社内で生み出すことができる制度だ。
おわりに
会社や組織を変革するには環境を変えることが効果的です。
この上司選挙制度は、正に環境を変えるための制度で、社長や上層部の人が頑張るのではなく、社員ひとりひとりのモチベーションを上げ、自分たちでなんとかしようという意識を芽生えさせたところが成功の要因だなと思います。
選挙を考慮すると上司も部下を蔑ろにできないですからね。部下の話を聞かないわけにはいかない。部下は上司が話しを聞いてくれて嬉しい。良い循環です。
ゴマすり対象が上司から部下に移ったってことかな?
自分が持っている権利(今回の場合は人事権)を放棄するのは勇気がいることですが、自分で抱え込まず人に任せることで会社の活性化に繋がったというのは素晴らしいことですね。
※この記事は、2016年4月28日にWBSの会社の鑑のコーナーで紹介された内容の自分用メモです。