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世界一周、海外旅行で気を付けたい病気の種類と症状、回避策、ワクチンについて

※本ページはプロモーションが含まれています

海外旅行で気をつけるべき病気

世界一周や海外旅行へ出かけるときに気をつけたいのが、日本にはいない病原菌やウィルスによる病気です。

中には死に至る恐ろしい病気もあるので、どのような病気があるのかを知り、しっかり対策した上で海外へ出る必要があります。

死に至らなくても、治療法がなく、症状を軽減して自然治癒に任せる対症療法しかない病気もあり、完治するまで苦しむことになるものもあります。

また、黄熱病など、予防接種を受けていないと入れない国もあるのでちゃんと把握しておきましょう。

この記事では、海外へ旅行に行く上で気をつけたい病気の種類や症状、回避策、ワクチンについてまとめました。

専門機関のウェブサイトへのリンクも貼っていますので併せて読んでください。

海外旅行で気をつけるべき病気一覧

まずは、海外旅行で気をつけるべき病気の一覧を紹介します。

  • 麻しん(ましん。「はしか」とも呼ばれる)
  • 風しん
  • おたふく風邪
  • 水ぼうそう
  • 破傷風
  • ポリオ
  • 日本脳炎
  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 黄熱病(おうねつびょう)
  • 狂犬病
  • 腸チフス
  • コレラ
  • ダニ媒介性脳炎
  • 髄膜炎菌(ずいまくえんきん)
  • マラリア
  • デング熱
  • HIV

麻しん(measles)

「ましん」と読み、一般的に「はしか」とも呼ばれる。

麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症。

感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。

免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われている。

感染力が非常に強く、空気感染をするため、手洗いやマスクのみでの予防は困難なのでワクチン接種が必要。

海外旅行中に発症すると、感染拡大防止のため一緒に旅行している人と合わせて移動制限させられることがある。

症状

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現る。

2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現。

肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症する。

死亡する割合は、先進国であっても1,000人に1人と言われている。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

1990年4月2日以降に生まれた人は、定期接種を予定通りに受けていれば2回接種しているはず。

1990年4月2日以前に生まれた人は、定期接種が1回しかなかった年代なので、追加の予防接種が必要。

効果期間は、免疫は終生続くと考えられていたが、現在では、ワクチンによる免疫の持続期間は10年程度と考えられている。

MRワクチン

麻しん・風しんを予防できる混合ワクチン。日本国内で接種する場合に使われる

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回8,000〜10,000円

MMRワクチン

新三種混合ワクチンとも呼ばれ、麻しん(Measles)・おたふく風邪(Mumps)・風しん(Rubella)の3種類を予防できる混合ワクチン。3つの頭文字をとってMMRワクチンと呼ばれる。

2016年現在、日本ではMMRワクチンは未承認であるため、国産製品はない。

日本で輸入のMMRワクチンを接種することは可能で、日本の救済制度は適応されないが、輸入ワクチン副作用被害者補償制度(輸入商社による補償制度)の対象となる。

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回8,000〜10,000円

ワクチン接種が必要な地域

全世界

参考ページ

風しん(Rubella)

風しんウイルスによって引き起こされる急性の風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症。

感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播する。

症状

症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発しんが長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがある。

また、脳炎や血小板減少性紫斑病(血小板が減少し、出血の危険が高まる病気)を合併するなど、入院を必要とする場合があり、決して軽視はできない疾患。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

MRワクチン

麻しん・風しんを予防できる混合ワクチン。日本国内で接種する場合に使われる

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回8,000〜10,000円

MMRワクチン

新三種混合ワクチンとも呼ばれ、麻しん(Measles)・おたふく風邪(Mumps)・風しん(Rubella)の3種類を予防できる混合ワクチン。3つの頭文字をとってMMRワクチンと呼ばれる。

2016年現在、日本ではMMRワクチンは未承認であるため、国産製品はない。

日本で輸入のMMRワクチンを接種することは可能で、日本の救済制度は適応されないが、輸入ワクチン副作用被害者補償制度(輸入商社による補償制度)の対象となる。

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回8,000〜10,000円

ワクチン接種が必要な地域

全世界

参考ページ

おたふく風邪(Mumps)

ムンプス(おたふく風邪)は小学校低学年や30−40代が多く感染しやすい。

感染方法は、咳やくしゃみなどの飛沫感染や接触感染で、感染してから約2週間の潜伏期間の後に耳下腺(じかせん)や顎下腺(がっかせん)などの唾液腺(だえきせん)の腫れや発熱で発症。

合併症として、膵炎、感音性難聴(かんおんせいなんちょう)や髄膜炎(ずいまくえん)、腎炎、思春期以降では精巣炎や卵巣炎を起こす。

感音性難聴になってしまうと聴力の回復は難しく、その後の日常生活や社会生活にも影響が出てしまう重大な合併症。

症状

典型的には耳下腺や唾液腺の腫れ、痛み、発熱などの全身症状をきたす。

しかし感染者の約1/3は臨床的にはっきりとした唾液腺の腫れがなく、無症候性感染や咳などの呼吸器症状のみのこともある。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

おたふくかぜワクチン

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回3,000円〜8,000円

MMRワクチン

新三種混合ワクチンとも呼ばれ、麻しん(Measles)・おたふく風邪(Mumps)・風しん(Rubella)の3種類を予防できる混合ワクチン。3つの頭文字をとってMMRワクチンと呼ばれる。

2016年現在、日本ではMMRワクチンは未承認であるため、国産製品はない。

日本で輸入のMMRワクチンを接種することは可能で、日本の救済制度は適応されないが、輸入ワクチン副作用被害者補償制度(輸入商社による補償制度)の対象となる。

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回8,000〜10,000円

ワクチン接種が必要な地域

全世界

参考ページ

水ぼうそう(水痘:すいとう Varicella または Chickenpox)

水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気。

空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度。

症状

発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされる。

一部は重症化し、近年の統計によれば、我が国では水痘は年間100万人程度が発症し、4,000人程度が入院、20人程度が死亡していると推定される。

水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われる。

成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高い。

治療法

感染の程度や重症化のリスクをふまえて治療を検討。

ワクチン

水ぼうそうワクチン

種類 生ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 4週間以上
接種費用 1回4,000〜6,000円

ワクチン接種が必要な地域

全世界

参考ページ

破傷風(はしょうふう、Tetanus)

破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気。以前は新生児の発生もみられたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生している。

破傷風の死亡率は50%。成人でも15〜60%、新生児に至っては80〜90%と高率

症状

主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用する。

口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の 障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもある。

治療法

菌と毒素に対する治療として、感染部位の洗浄などによる菌と毒素の除去、抗菌薬投与、破傷風抗体(免疫グロブリン製剤)の投与などを行いながら、同時に筋肉の痙攣(きんけいれん)に対する治療として抗けいれん薬の投与、人工呼吸器を含めた集中治療管理などを実施。

ワクチン

4種混合(DPT-IPV)ワクチン

ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを同時に予防できるワクチン。
種類 不活性ワクチン
接種回数 4
接種間隔 1回、2回、3回目の間は20日以上(20-56日)、3回目と4回目の間は6か月以上(12-18か月)あける
接種費用 1回約10,000円

ワクチン接種が必要な地域

全世界

参考ページ

ポリオ(Poliomyelitis)

ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染する病気。

増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染する。

成人が感染することもあるが、乳幼児がかかることが多い病気。

症状

ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに知らない間に免疫ができる。

しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがある。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

4種混合(DPT-IPV)ワクチン

ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを同時に予防できるワクチン。
種類 不活性ワクチン
接種回数 4
接種間隔 1回、2回、3回目の間は20日以上(20-56日)、3回目と4回目の間は6か月以上(12-18か月)あける
接種費用 1回約10,000円

ワクチン接種が必要な地域

南アジア、中近東、中央アフリカ

参考ページ

日本脳炎(Japanese encephalitis)

日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染する。

以前は子どもや高齢者に多くみられた病気。

一般に、日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20~40%が亡くなってしまうといわれている。

また、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれている。

症状

突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもある。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

日本脳炎ワクチン接種により、日本脳炎にかかるリスクを75-95%程度減らすことができると言われている。

発症すると重症化するリスクが高いため、予防接種での予防が重要。

エンセバック、ジェービック

種類 不活化ワクチン
接種回数 大人の場合3回
接種間隔 1回目と2回目の間は1〜4週間。1回目から1年後に3回目
接種費用 5,000円〜8,000円

3回目接種後は4〜5年有効で、以後1回の接種で4〜5年有効(FORTH|海外渡航のためのワクチン

IMOJEV

日本で使われる不活性ワクチンと違い生ワクチンになり、摂取回数が1回で良い。

種類 生ワクチン
接種回数 1回
接種間隔
接種費用 5,000円〜8,000円

ワクチン接種が必要な地域

東アジア、東南アジア、南アジア

参考ページ

A型肝炎(Hepatitis A)

A型肝炎ウイルスが原因のウイルス性肝炎。

水や食品を介して感染することが多く、日本では牡蠣などの海産物を食べて感染したり、海産物以外の食品でも年間500例ほど報告されており、ウイルス性肝炎の中ではB型肝炎に並んで多い感染症。

衛生状態の良い日本では大規模な流行がみられることはないが、海外旅行中に水や氷、生野菜や肉などの食品を介して感染することが多いため、諸外国では途上国などへの渡航前には A型肝炎ワクチンの接種が必要。

その他の感染経路として、糞口感染・性行為感染などがある。

症状

感染してから2-6週間は症状がなく(潜伏期)、その後、発熱、頭痛、倦怠感、筋痛などの全身症状と、食思不振や嘔吐などの消化器症状が始まる。

典型的には黄疸、肝腫大、尿色変化など。

血液検査では肝機能異常(AST/GOT,ALT/GPTの上昇)、通常1-2ヶ月で症状も検査所見も回復するが、中には肝機能の正常化に半年近く要することもある。

治療法

抗ウイルス薬はなく、基本的には入院し安静にて支持的な対症療法を行う。

ワクチン

国産ワクチン(エイムゲン®)は安全で効果が高いワクチンの1つ。

3回の接種でほぼ100%の抗体獲得が期待できる。3回接種するとその後約5年は効果が持続するが、その後抗体価がさがるため、感染リスクがある場合は 5-10年ごとの追加接種(1回)が推奨される。

輸入ワクチン(HAVRIX®)は1回の接種でほぼ100%の抗体獲得が1年以上期待できる。もう1回追加接種をすることで、15−20年以上の抗体が維持される。

A型肝炎ワクチン

種類 不活性ワクチン
接種回数 国産ワクチン:3回
輸入ワクチン:2回
接種間隔 国産ワクチン(エイムゲン®):1回目と2回目の間は2-4週間後。1回目から6ヶ月後に3回目
輸入ワクチン(HAVRIX®):1回目と2回目の間は6-12ヶ月後
接種費用 1回10,000円前後

※ワクチンの種類がいろいろあり、接種回数や接種間隔が違うものがあるので接種する病院に要相談。

Twinrix

A型肝炎、B型肝炎の双方に対するワクチン。

種類
接種回数 3
接種間隔 1回目と2回目の間は2-4週間後。1回目から6ヶ月後に3回目
接種費用 約14,000円

ワクチン接種が必要な地域

次に挙げる地域以外の全ての地域。オセアニア、北・西ヨーロッパ、北米。

参考ページ

B型肝炎(Hepatitis B)

B型肝炎ウイルス感染によっておこる肝臓の病気。

血液や体液を介して感染し、感染経路にはB型肝炎ウイルスキャリアの母親からの出産時に感染する場合(垂直感染)と血液や唾液、汗、涙などの体液によってうつる場合(水平感染)の2種類がある。

感染した時期、感染したときの健康状態によって、一過性の感染に終わるもの(一過性感染)とほぼ生涯にわたり感染が起こるもの(持続感染)に分けられます。

症状

急性肝炎:ウイルスに感染しても70-80%は症状がなく終わるが(不顕性感染)、20- 30%に急性肝炎を発症する。1-6か月の潜伏期間を経て、発熱、倦怠感、黄疸などが出現。なかには激しい炎症による状態(劇症肝炎)となり、重症となる場合がある。劇症肝炎にならない場合は、一般には数週間で肝炎は改善する(一過性感染)。

慢性肝炎:出産時や乳幼児期においてB型肝炎ウイルスに感染すると持続感染に移行する。十数年は症状なく、感染したウイルスは体内で共存している(無症候性キャリア)。思春期以降に一過性の肝炎を発症し、80-90%はそのまま安定するが、10-20%の人は慢性肝炎へ移行し、一部は肝硬変、肝臓癌を発症することがある。

治療法

急性肝炎の場合は、特別な治療薬がないため主に対症療法が行われる。

慢性肝炎の場合は、年齢やウイルスの状態により、抗ウイルス薬やインターフェロン療法が行われる。

ワクチン

B型肝炎ワクチン

種類 不活性ワクチン
接種回数 3回
接種間隔 1回目と2回目の間は2-4週間後。1回目から6ヶ月後に3回目
接種費用 1回5,000円〜8,000円

ワクチン接種が必要な地域

次に挙げる地域以外の全ての地域。オセアニア、北・西ヨーロッパ、北米。

参考ページ

黄熱病(おうねつびょう Yellow fever)

蚊に刺されることで感染するウイルス性感染症。

効果的な治療法がなく、致死率は20%以上といわれている。

蚊の生息域である熱帯地域で流行し、世界では約9億人がリスクにさらされていると推測されている。

流行地へ渡航する前は、黄熱ワクチンの接種記録提示が入国審査に必要と定められている唯一の感染症。

症状

黄熱の発症後の症状経過は、時期によってはっきりしている。

潜伏期:まず感染から3−6日は潜伏期で、症状はなし。

感染期:潜伏期を過ぎると、3−4日の感染期が来る。発熱・頭痛・倦怠感が急に出現し、インフルエンザに似ていて特徴的な症状を欠く。

緩解期:この時期に入ると症状がいったん軽減。軽症例はそのまま回復するが、重症例はこの後で中毒期に移行。緩解期は数時間から長くても48時間とされる。

中毒期:再び熱が出るとともに、黄熱の三徴とされる黄疸(おうだん)、出血傾向(鼻出血、歯肉出血、下血、子宮出血)、浮腫を伴わない蛋白尿や、意識障害などの多臓器不全の症状が現れる。中毒期に移行したうち20-50%が死亡に至る。

治療法

有効な治療方法がないため、症状を和らげ自然治癒力を頼りに治す対症療法が中心。

ワクチン

黄熱ワクチンは、原則として検疫所または特殊医療機関のみが接種を行っており、総合病院や大学病院でも接種はできない。

また、検疫所には事前の予約が必要。詳細は下記ページで。

黄熱に対する抗体が得られ、黄熱に感染しなくなる。ただし、有効になるのは接種して10日後から。

以前は10年ごとに再接種が必要だったが、2016年11月以降は、1回接種で生涯有効となった。

その前に接種歴がある方も、接種証明証があれば接種しなおしをせず、生涯有効。

予防接種証明証(イエローカード)は紛失しないように保管を。

黄熱ワクチン

種類 生ワクチン
接種回数 1回
接種間隔
接種費用 1回約12,000円

ワクチン接種が必要な地域

中央アフリカ、中南米

ワクチン接種証明書(イエローカード)が必要な国

黄熱病の流行状況によって随時変更される。

渡航前に下記ページの「各国・地域の黄熱予防接種証明書要求及び推奨状況について」の確認を。

参考ページ

狂犬病(Rabies)

犬を含む哺乳動物の唾液中にいるウイルスが原因で、現在でも発症後の死亡率がほぼ100%と非常に危険な感染症。

アジアやアフリカで多く発生しており、多くは犬からの感染だが、コウモリやネコなどすべての哺乳類から感染する可能性がある。

症状

ウイルスをもつ動物に咬まれたり傷口を舐められたりすることで感染。傷口に入ったウイルスはゆっくり脳神経組織に向かい、10日ほどで発症。

感染初期は発熱や頭痛など風邪のような症状で始まり、傷口の痛みなども起こる。

水を飲むと喉が痙攣(けいれん)して苦しいため、水を怖がる恐水症(きょうすいしょう)や、風や光などあらゆる刺激に敏感になり興奮しやすくなったり錯乱状態になるなど特徴的な症状が出現し、最終的に昏睡状態(こんすいじょうたい)から呼吸停止で死に至る。

いったん発症すると致死率ほぼ100%。

治療法

ウイルスが脳神経組織に到達する前に抗体を増やし、神経細胞への感染を防ぐ。

以下は、ウイルスをもつ(可能性のある)動物にかまれた場合で、ワクチン接種の有無別の対処方法。

受傷前にワクチンを打っていなかった場合

 ぐに傷口を流水と石鹸で十二分に洗浄してウイルスを洗い流す。次いで、暴露後投与のスケジュールに沿ってワクチンを5-6回接種。さらに、傷口と周辺に抗体(免疫グロブリン)を注射。

受傷前にワクチンを打っていた場合

すぐに傷口を流水と石鹸で十二分に洗浄してウイルスを洗い流す。次いで、暴露後投与のスケジュールに沿ってワクチンを2回接種。免疫グロブリン投与は不要。

ワクチン

種類 不活化ワクチン
接種回数 3回
接種間隔 4週間隔で2回、更に1回目から6-12か月後に1回
接種費用 約15,000円

※国産ワクチンや輸入ワクチンで接種間隔は変わってくるのでワクチンを接種する病院でしっかり聞くように。

ワクチン接種が必要な地域

オセアニア以外の全世界

参考ページ

腸チフス(Typhoid fever)

チフス菌と呼ばれるサルモネラの一種による感染症。

とくに途上国で感染する可能性がある。

特に多いのがインド、バングラデシュ、パキスタンといったインド亜大陸地域。

症状

下痢や腹痛といったお腹の感染症だけではなく、熱だけで発症することもあり、淡い発疹がでることもある。

診断、治療がされないと重症化することがあり、15%で死に至る。

抗菌薬で適切な治療を受ければ死亡率は1%以下になる。

治療法

多くの場合、点滴の抗菌薬を用いるが、近年は薬剤耐性菌が増加しているため、治療法は複雑になっている。

専門家に相談して、検査結果や感染地域情報を参考にして治療方法は決定される。

ワクチン

日本で最も用いられているTyphim Viの効果はおよそ50%程度と考えられている。

接種から3年経つと効果は失われる。

Typhim V

種類 不活性ワクチン
接種回数 1回
接種間隔 2〜3年に1回
接種費用 1回7,000円〜10,000円

ワクチン接種が必要な地域

東アジア、東南アジア、南アジア、中近東、北アフリカ、中央アフリカ、南アフリカ、中南米

参考ページ

コレラ(Cholera)

コレラ菌はビブリオという種類の細菌で、コレラはコレラ菌による腸管感染症。

汚染された飲食物からの感染が最も多い。

症状

米の研ぎ汁様と言われる水っぽい大量の下痢が特徴で、脱水と電解質異常のために体重減少や血圧低下、意識障害、けいれんなどが重症例では起きる。

治療しない場合の死亡率は60%程度だが、適切に治療すれば1%未満。

治療法

輸液と電解質投与による脱水と電解質異常の補正。

抗生物質(抗菌薬)も使うが、こちらは補完的な目的でしかない。

ワクチン

ShanChol

種類 経口の不活化ワクチン
接種回数 2回
接種間隔 14日後
接種費用 1回1万円

※コレラのワクチンは様々な種類があり、ワクチンによって接種回数や接種間隔が変わってくるので接種する病院でしっかり聞くように。

ワクチン接種が必要な地域

東南アジア、南アジア、中央アフリカ、中南米

参考ページ

ダニ媒介性脳炎(Tick-borne encephalitis)

ダニ媒介性脳炎は、マダニ科に属する各種のマダニ(Ixodes ricinusやI.persulcatus)によって媒介されるフラビウイルス感染症で、ヒトに急性脳炎を起こす。

ダニ媒介性脳炎ウイルス群は14 のウイルス種からなるが、このうち8 種類がヒトに病気を起こす。

主なものとして中央ヨーロッパ型脳炎とロシア春夏脳炎がある。

症状

中部ヨーロッパ脳炎

二相性の病状を呈す。第一期は、インフルエンザ様の発熱・頭痛・筋肉痛がが2~4日間あり、解熱後2-3 日間は症状が消え、その後、約3分の1は、髄膜脳炎に進展し(第二期)痙攣・眩暈・知覚異常などの中枢神経系症状が起こる。

3-23%に麻痺症状。死亡率は1-5%。

35-60%に後遺症として感覚障害、平衡感覚障害、感音性難聴などをきたすことがある。

ロシア春夏脳炎

病状は一相性。潜伏期の後に頭痛・発熱・悪心・嘔吐が見られ髄膜脳炎に進展する。精神錯乱・昏睡・痙攣および麻痺 などの脳炎症状が出現することもある。

致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎で1-2%、ロシア春夏脳炎は20%、回復しても数割の方で神経学的後遺症が残る。

治療法

特異的な治療方法はない。海外では、ガンマグロブリン製剤が使用されることがある。

ワクチン

3回接種後の効果は約100%。接種から3-5年たつと効果が減弱するため、3-5年ごとに接種が必要。

ダニ媒介脳炎ワクチン

種類 不活性ワクチン
接種回数 3回
接種間隔 1回目と2回目の間隔は4〜12週。3回目は2回目から9〜12ヶ月後
接種費用 要問合せ

ワクチン接種が必要な地域

東ヨーロッパ、ロシア

参考ページ

髄膜炎菌(ずいまくえんきん Meningococcus)

髄膜炎(ずいまくえん)の流行を起こす髄膜炎菌による急性髄膜炎。人から人へ直接感染する。

症状

高熱や皮膚や粘膜からの出血、関節炎が起こります。髄膜炎に進展すると頭痛、吐き気、首が固くなる硬直、精神状態の変化が起きる。

劇症型の場合、突然の頭痛、高熱、けいれん、意識障害、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、ショックに陥って死に至る。

治療しなければ例外なく死に至る。

治療法

髄膜炎が疑われたら、できるだけ早く抗菌薬投与を行う。

ワクチン

効果はおよそ80-95%。接種から5年経つと効果は失われるため、5年ごとに接種が必要。

ワクチン接種が必要な地域

中近東、北アフリカ、中央アフリカ、南アフリカ

参考ページ

マラリア(Malaria)

特有の熱発作、貧血及び脾腫を主徴とする。ハマダラカによって媒介される。

症状

最も多い症状は発熱と悪寒で、発熱の数日前から全身倦怠感や背部痛、食欲不振など不定の前駆症状を認めることがある。

熱発は間隔をあけて発熱期と無熱期を繰り返す。

発熱期は悪寒を伴って体温が上昇する悪寒期(1~2時間)と、悪寒がとれて熱感を覚える灼熱期(4~5時間)に分かれる。

典型的には三日熱及び四日熱マラリアでは悪寒期に戦慄を伴うことが多い。

発熱期には頭痛、顔面紅潮や吐き気、関節痛などを伴う。その後に発汗・解熱し、無熱期へ移行する。

治療法

マラリアの治療薬を投与して行われる。

治療薬は複数ある。

ワクチン

マラリアに対するワクチンは存在せず、マラロンという飲み薬を渡航2日前、渡航中毎日、渡航後1週間服用する。

後は蚊に刺されないようにする。

発生地域

アジア、オセアニア、中南米、アフリカの熱帯・温帯地域

参考ページ

デング熱(Dengue fever)

ウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカなどに刺されることで感染する。

ヒトスジシマカは、ヤブ蚊とも呼ばれ、日本にも生息している。

不顕性感染を含めて感染した人を蚊が刺すと、1週間ほどでウイルス量が増える。その蚊に人が刺されると感染する可能性がある。

人から人へ直接感染することはない。

症状

2~14日(通常3~7日)の潜伏期間の後、およそ2-4割の人に38~40℃の発熱で発症し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹が現れる。

肺炎などの呼吸器症状が顕著に現れる感染症ではないので、通常、死に至る危険は少ないが、関節などの痛みは激しく、英語ではBreak bone feverとも呼ばれている。

通常、3~5日で解熱し、解熱とともに発疹が現れる。

治療法

血小板が低下し、出血を起こしやすくなるので、通常使用される鎮痛・解熱剤は控える。

治療には小児にも使われるアセトアミノフェン(海外ではパラセタモールとの名で販売されています)が使用される。

ワクチン

ワクチンはないので、蚊に刺されないようにする。

ワクチン接種が必要な地域

アフリカ地域、アメリカ地域、東地中海地域、東南アジア地域、西太平洋地域の熱帯・亜熱帯地域

参考ページ

HIV

HIVウイルスに感染し発症すると、他の病気に対する抵抗力がなくなって、いろいろな病気にかかってしまう。

病気が進行すると死亡することがある。

HIVウイルスに感染した人の血液、母乳、精液、膣分泌液などの様々な体液によって感染。

キス、抱擁、握手といった日々の接触や個人で使用する物、食品、水を共有することでは感染しない。

症状

感染して数週間から十数年の症状のない期間があった後、発熱、のどの痛みや倦怠感などの症状が出ることがあるが、この症状は1~数週間で自然に治る。

その数年後に、リンパ節の腫れ、発熱や下痢を発症し、さらに進行すると肺炎や皮膚病になったり、腫れものができたりする。

治療法

定期的に医師の診断を受け、症状を軽くする治療を受ける。

ウイルスを完全になくすことはできないが、いろいろな薬を使うことによってウイルスを抑制し、病気の進行を大幅に抑えることはできる。

ワクチン

有効なワクチンはないので、むやみな性交をしないなどの事前対策が必要。

注意が必要な地域

全世界

参考ページ

ワクチンを接種できる場所

FORTH|予防接種実施機関で予防接種の条件から近くの病院、トラベルクリニック、検疫所を検索できます。

おわりに

ほとんどの病気で効果的な治療法がなく、自然治癒力に任せるしかない病気なのでかなり怖くなりますが、ワクチンを接種したり対策をしっかりしていれば、旅行者が行く場所で感染することはめったにないようです。

自分が渡航する場所で必要なワクチンを知り、万全な状態で旅行へ行くようにしてください。

ワクチン接種は、効果が出るのに時間がかかったり、複数回摂取しなければいけなかったり、1日に3〜4種類のワクチンしか摂取できないなどの制約があるので、1ヶ月以上前からトラベルクリニックへ行き医師に相談することをおすすめします。

続きの記事 → タイのスネークファームで海外旅行用の予防接種!行き方、料金、診察手順を詳細に紹介

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