サッカーで俯瞰(ふかん)的視野を手に入れる方法が書かれた1冊「サッカー脳を育む」 レビュー
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「情報発信・ブランディング講座」でご一緒させて頂いたいしかわごうさんが書いた「サッカー脳を育む/中村憲剛」を読みました。
懇親会でいろいろ話を聞かせて頂くなかで、子どもに俯瞰(ふかん)を付けさせるにはどうしたらよいか尋ねたところ、この本を紹介して頂きました!
早速購入しましたので俯瞰的視野を中心に紹介します!
この本について
フジカルに恵まれていない中村憲剛。体格で勝負できない彼がJリーガーになり、日本代表に慣れたのは、自分で考えてプレーすることで「サッカー脳」を鍛え続けてきたから。
今の身体能力にコンプレックスを持っている子どもがいても、決してサッカーを諦めるなと言いたい。
サッカー脳は自分の意識と行動次第で子どもの頃から伸ばし続けることができる能力。
この本はサッカー脳を育むための考え方や技術が詰まった一冊となっている。
俯瞰的視野(ふかんてきしや)
俯瞰的視野とはピッチを上から見ているかのように見ることができる視野のことで、バードビュー(鳥が上空から見ているような景色)とも呼ばれる。
中田英寿や遠藤保仁らがこれらの視野を持っていると言われていて、ゲームをコントロールするのに役立つ能力だ。
首を振る
周りの状況を確認するために首を振る。目視をあらゆる状況で行うことで情報集することができる。
確認すべき点は、
・自分の立ち位置
・敵の位置
・味方の位置
・ボール
・スペース
の5つ。状況を把握するために瞬時にそこをみる。
まずは遠くを見る
サッカー一番大事なのは点を決めること。その為に遠くまで見る。
「大は小を兼ねる」という言葉があるように、遠くを見ることが出来れば近い場所は間接視野で目に入ってくる。
景色を残像で記憶する
遠くのエリアを見たら、その景色を一瞬で目に焼き付けるようにする。
見た景色を絵のままで捉えるようにするのがコツ。
練習方法
これは日常生活で練習することができる。例えば街にある甲板を一瞬だけ見てなんと書いてあったか覚えてみるなど。
これは本に書いてあったことだが、ここからの練習方法は自分で考えてみた。
普段の練習方法については、授業中に黒板を一瞬だけ見てその残像でノートを取るという方法も良いなと思った。退屈な授業も面白く受けられるし、記憶の手助けに鳴るかもしれないから。
サッカーでの練習方法。
・ふたチームに分かれてハーフラインを堺に両チームの人数が半々になるように分かれる。
・片方のフィールドで適当に散らばり、もう片方の選手達は後ろ向きで待機。
・散らばり終わったらコーチの合図で一斉に振り返り目に焼き付けたら元に戻る。
・その後コーチが質問し、答えを合図する。
・質問は「前を向いている人は何人?」「ゴールは空いていた?」「スペースは右と左どっちにある?」など、絵で覚えていないと答えられないような質問にする。
・答える際は一斉に指で合図。例えば、「ゴールが空いていたと思う人は1,空いていないと思う人は2」など、指の数で意思表示をする。
中村憲剛の視点
本書によると、中村憲剛自身はピッチを上から見るというより高い位置から見渡している感じで、リベログランデという1人称視点のゲームの視点が近いらしい。
この本に書かれていること
この本に書かれている俯瞰の章を紹介したが、他にもサッカーがうまくなるための情報が書かれている。どのようなことが書かれているかを紹介。
第1章 サッカーがうまくなるための心構え
中村憲剛が味わった挫折からの立ち直ることができた考え方、サッカーがうまくなるのに必要な心構えが書かれている。
第2章 ボール技術を高める考え方
トラップやパス、シュート、ミドルシュートなど技術的なことを直接教えるだけでなく、どのように考えればうまくできるかなどが書かれている。
第3章 ゲームメイクの思考方法
実践で使える考え方を中村憲剛が実際に考えていることを参考に学ぶことができる。
第4章 俯瞰的視野を身につけるステップ
この記事で紹介した俯瞰の身につけ方に加えて間接視野の鍛え方や、自分の視野から俯瞰への持っていきかたが書いてある。
第5章 メンタルコントロール
試合前の緊張、ミスしてしまった時、キャプテンシーなど、サッカーに必要なメンタルについての考え方が書かれている。
第6章 オフ・ザ・ピッチの心得
睡眠と食事、怪我との向き合い方、勉強との両立など、サッカー以外の大切なこともサッカーがうまくなるために必要だと分かることが書かれている。
まとめ
・俯瞰的視野を手に入れるには首を振って遠くを見て景色を残像として残す。
・常日頃首を振り看板の文字を読むなど景色を目に焼き付ける練習をする。
用語の説明を入れると子どもも理解しやすくなると思う。例えば「プルアウェイ」と「ボディーシェイプ」だ。
プルアウェイ:ボールを持っていない時、自分に付いているマークを自分のプレーしたいエリアから引きつれて外に出すこと。これを行うことでボールが来た際にプルアウェイで開けたスペースに飛び込むことで楽にプレーができるようになる。
ボディーシェイプ:ボールを持っていない時の身体の向き。ボールだけを見る身体の向きだけではなく、ボールと敵が見える身体の向きやファーストタッチで攻めやすい身体の向き
この本では一つの教訓に対して見開き2ページで解説されているので子どもでも読みやすい。
まとまっていることで、目次を見返せばもう一度読みたい所を簡単に見つけられる。何度も読んでほしいという中村憲剛の気持ちが伝わってくる。
内容についても小、中、高と、育成年代に読んで欲しい1冊。
おわりに
僕も子どもの頃にこの本を読んでいたらサッカーの取り組み方が変わっていたと思う。考えるということをしないでただなんとなく、感覚だけでサッカーをやっていたので。
「考える」ことをはじめ、愚直に実行すれば誰でもJリーガーになれる気がする!